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今、この高校がすごい!
生徒の苦手克服に挑戦し続ける、東野高校と先生たちの取り組みとは?

2016年8月、リクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP) まなび事業本部に、一つの知らせが届いた。埼玉県入間市の盈進学園 東野高等学校が、スタディサプリ月別使用時間で全国高校TOP10入りを果たしたというのだ。使用時間の多さは、生徒がスタディサプリを使って長時間勉強したことを意味する。なぜ同校の生徒はそこまで学習に打ち込んだのか。導入に携わった学年主任 青木純一先生への取材を通して、その理由を探った。

2017-02-16

リオデジャネイロ五輪に選手を輩出
1学年400名の東野高校に起きた変化とは

埼玉県入間市にある盈進学園 東野高等学校は、リオデジャネイロ五輪に出場選手を輩出するなどで知られており、モダンな校舎と闊達な校風で人気を集めてきた。埼玉県のみならず、東京都からも通学する生徒も多数おり、1学年400人、全校で1000人以上の生徒が在籍している。

そこで近年、力を入れているのが学力の充実だ。入学した生徒が部活動に取り組むだけでなく、大学進学も選べる高校として、授業や指導方法、環境などを整備し、進学実績で入学希望者にPRする。まさに理想の学校だが、在籍する生徒が熱心に勉強するようになるまでには、地道な努力と時間が必要だと思われていた。

そんな東野高校でいま、学力向上に懸命に取り組む一人の先生がいる。今年度から1学年の学年主任を務める、国語科の青木純一先生だ。

「生徒が勉強しない理由は、勉強の仕方がわからないからです。方法がわからないのに学ぶから、勉強そのものが嫌になってしまう。」福島県などで高校教諭を務めた後、塾講師を経て東野高校に赴任してきた青木先生は、学力差のある東野高校の生徒を宝の山だと語る。「生徒を見ていると、伸びしろが沢山あるなって感じています。そこがこの学校の一番の面白さですね。」

国語科教師としての青木先生の授業は実践的だ。模擬試験に向けた対策授業として実施した20分の小テストでは、設問を記述問題と選択問題に分け、時間と点数の配分を確認して解答するように勧めている。「記述問題は、書けば点数がもらえるチャンスがあるんだよって、ずっと伝えてきました。せっかく問題を解いたのに間違えて0点だったら、解くのが嫌になるじゃないですか。少しでも記述問題を解いて、解答ポイントを押さえていれば加点する、という教え方をしています。」

一人一人の苦手分野を個別に克服!
「到達度テスト」がもたらす、新たな学び

青木先生は、昨年度クラス担任を務めていた時に、ある発見があったという。「高校生も、テストや検定試験で目標を達成すると、すごく嬉しそうにするんですよ。そこで生徒に少し頑張ればクリアできる目標を書かせるようしたら、一つ一つの達成を楽しみながらクリアするようになった。クラスの空気がすごく前向きになりましたね。」

小さな取り組みで生徒のやる気が変わる面白さを実感したという青木先生。しかし一方で、校務や会議の合間を縫って学習指導を行う難しさも感じていた。「少しでも生徒の学力を伸ばしたい。そう思って指導や放課後の補講を行ったのですが、思うように学力が伸びていかなかった。国語が出来ないといっても、わからない箇所もレベルも一人一人違う。補講では全ての単元を教えられないし、個別指導する時間もあまり取れず、歯がゆく思っていました。」

そんな折に出会ったのが、スタディサプリの「到達度テスト」だ。到達度テストは全ての設問がスタディサプリの学習単元に結びついていて、不正解の設問があると、その単元を学ぶためのスタディサプリ動画が生徒に薦められる。到達度テストを導入することで、生徒の苦手箇所が洗い出され、学び直しを促すことが出来るのだ。

「学習は積み重ねです。国数英などの科目を大学で学び直すことは難しい。わからない分野に立ちかえり、出来ないことを少しずつ出来ることに変える体験ができるのは、高校が最後のチャンスなのです。スタディサプリと到達度テストの話を聞き、実際にアプリを使ってみて、自学自習が苦手な生徒にはこれが最適だと感じました。」今年度4月、1学年の主任となった青木先生は、担任の先生方と相談して学年全員へのスタディサプリ導入を決めた。

学年全体を一つのチームに
見え始めた変化の兆し

東野高校に入学したばかりの1年生は、5月に南房総で新入生合宿を行う。本来の目的は交流やレクリエーションだが、青木先生たちは、この合宿こそ生徒に高校で学ぶことの意味を伝える絶好の機会だと考え、”勉強合宿”を敢行した。RMPまなび事業本部と連携して、生徒全員に到達度テストを実施すると共に、10年後の未来といまの自分を繋げて考えるワークショップや、高1で学ぶ範囲がセンター試験にも出題される事を伝える講習会を開催。高校での学習の意義と今年1年で何を学ぶべきかについて、生徒が自発的に考える機会を設けた。

合宿から帰ってきた生徒たちは、夏休みまでに苦手分野を学び直すため、到達度テストで推薦されたスタディサプリ動画を視聴する課題が課せられた。青木先生とクラス担任の先生方は、積み上がった宿題がイヤにならないよう、ある工夫を施した。各クラスの教室にクラス全員の動画視聴時間の合計を張り出し、クラス対抗で競い合うゲームのように演出したのだ。より多くの動画を視聴したクラスの取り組みが先生同士で共有され、徐々にスタディサプリ視聴の習慣が浸透していった。

「学年全体が1つのチームにならなければ、と考えていました。やっぱり辛い時に、周りで『頑張ろうぜ』って話す人がいると、いい意味で流されて行くじゃないですか。生徒たちは、2学年3学期には志望する進路を宣言しなければならない。生徒に迷いや悩みが生まれる瞬間を、学年全体のいい雰囲気で乗り越えていきたい。」青木先生は、生徒の行く末をしっかりと見据えながら話した。

「一緒に取り組んでくれるクラス担任の先生方には、本当に感謝しています。保護者の方から声をかけられる事も多く、子供が机に向かうようになった事へ感謝の言葉をもらったりすると、やっぱり嬉しいですね。」と語る青木先生。生徒からも「わずかな時間で勉強できるのがサプリの魅力。自宅までの距離が長い私にとって、帰り道のサプリは貴重な勉強時間です。」「中学の学び直しを誰にも見られずにできる事が、すごく良かった。」といった声があがるなど、少しずつ変化の兆しが見え始めていた。

こうした取り組みが、一つの結果となって実を結ぶ。2016年8月、全クラス総計5600時間の映像を視聴した東野高校1学年は、全国の進学校を押さえて、スタディサプリによる学習時間で全国TOP10入りを果たしたのだ。同校が遂げた成果は、「東野高校が文武両道の高校へ変わりつつある」という噂と共に、地域の教育関係者に少しずつ広がっている。

浸透こそ1年目の成果
課題から更なる成長へ

授業も課外活動も終わった夜、1学年を担当する先生方が集まって学年会議が行われた。会議では、同校の営業担当であるRMP まなび事業本部 森田 浩充を交えて、約1年間にわたり使用してきたスタディサプリを来年度どのように運用していくのか、というテーマが議論された。

「到達度テストでは、多くの問題を解けなかった生徒に、より多くの課題が出てしまう。そのため、正答率が低い生徒は課題をこなす事に終始してしまい、内容をきちんと習熟できていない」といった事例が担任の先生方より報告される。それを受けて、「習熟度に応じて到達度テストのレベルを選び、より苦手な分野に絞って学び直しが出来るよう検討する」と森田が提案する。議論は遅くまで続いた。

視聴時間で全国上位に入ったとはいえ、学力も向学心も多様な学生に対して学びの充実を図る青木先生と東野高校の取り組みは、まだ始まったばかりだ。それでも、青木先生は今年一年の取り組みに手応えを感じているという。

「急いで改革を進めるあまり、小さな成果にすがっても意味はない。きちんとステップを踏んで進めるためにも、今年はまずスタディサプリによる学び直しが浸透することを目標にしていました。そこで出た課題をクリアすれば、必ず次の成果に繋がるはずです。」

「大学の合格もそうですが、学びを通じて人が成長していく姿を見ることが、教師にとって一番の魅力だと思っています。出来ないことを学び直し、成功体験を積み重ねてほしい。そうした経験が、社会に出て主体的に物事を動かす人物へと成長することにつながっているはずです。」

「自分のアイデアで学年を運営できた今年は、今までにないくらい充実していました。生徒にもそんな充実した生き方をして欲しい、と思っています。」そう語る青木先生の目は、次の挑戦への意欲に満ちていた。

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