RMP FEATURE

RMP FEATUREカンパニー

「社長の仕事は、会社の空気を創ること」
守・破・離で生み出すイノベーティブな
組織風土

社長の一番大事な仕事は、会社の空気をプロデュースすること-12月1日開催『組織変革フォーラム2016』にて、リクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP)代表取締役社長の山口文洋が登壇。「RMPの一人ひとりのありたい姿を起点にする企業文化の創造」と題し、RMPが創業時から4年間かけて取り組んできた会社変革についてその成果・苦労やこれからの課題などについて語りました。

2017-01-05

「ボトムアップ」で新規事業を生み出してきた、
リクルートのDNA

RMPの山口です。本日はよろしくお願いします。

(会場拍手)

RMPの社長に就任し、約1年半が経ちました。
「社長のミッションとは」を考え続けた1年半でした。私なりの解は、「社長とは、企業のカルチャー、社内に流れる空気をプロデュースする存在」なのかな、と思っています。自分がトップに立って組織を引っ張るというより、メンバーの力を引き出す空気を作る存在。そのように認識しています。

皆さんの多くはリクルートという会社に対してどのような「非常にエネルギーがある人たちが集まって、面白いことをやっている会社」というイメージを持たれていらっしゃるのではないでしょうか。
創業から57年を経て、今なお「大企業病」を発症することなく、そうしたイメージを持たれ続けている理由は、「世の中の期待に、新しい価値創造で応えていく」という企業理念にあると感じています。世の中の誰もやっていないようなことに挑戦していくところに、私たちの存在意義があると思っています。

リクルートには、古くから「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉が根付いています。社員一人ひとりが、与えられた仕事をこなすだけでなく、自分の「Will」――本当にやりたい仕事・ライフワークを見つけ、それを会社の中で発露させ続けていることが、今日のリクルートの発展につながっているのだと思います。

その一例が、40年以上前から行っている「New RING」という新規事業提案制度です。
ゼクシィもカーセンサーもスタディサプリも、RMPのほぼすべての事業は、トップダウンで始まったものではなく、その時代時代のいちメンバーが「Will」を発信し、実現させた事業です。「NewRING」のコンテストで起案され、事業化されたものが、現在基幹事業となり会社を支えているのです。
このように、リクルートという会社は、トップダウンではなくボトムアップの企業文化を維持し続けたからこそ今があり、未来があるのかな…と思っています。

「この会社は、何の会社なのか?」
事業の“寄せ集め”状態からの船出

リクルートグループは4年前、ホールディングス制への移行に伴い、7社に分社化しました。
RMPとしてスタートした私たちの会社には当時、結婚・中古車・教育・IT製品の情報を扱う事業のほか、インターネットサービス代理店のような事業で構成されていました。事業同士の繋がりは見えづらく、「寄せ集め」のような集団だったのです。
私はその年に執行役員に就任しました。RMP創業時、私はとあるメンバーから「この会社は何の会社なんですか?」「社会に対して、どういう期待に応えていく会社なんですか?」と問われました。私はきちんと答えることができなかった。

そこで、「自分たちは社会にどう貢献していく会社なのか?」というRMPの「ビジョン」を明確にする取り組みが、全社をあげてスタートしました。このとき、やはりトップダウンではなく、ボトムアップでビジョンを創ることにしました。
「シェアド・ビジョン」と銘打ち、当時の従業員1300人が参加。ミドルマネジャーを中心に何度も議論を尽くした結果、RMPの「ありたい姿」「はたす使命」を打ち出しました。
「ひとりひとりのライフイベントの積み重ねに寄り添い、人生の"しあわせの総量"が増えている世界を目指す」「人生に起こる拍手の機会と量を増やしていく」というものです。

こうして1年目に行った「シェアド・ビジョン」に続き、変革2年目に行ったのが「シェアド・リビジョン」です。新卒・中途入社者が仲間に加わり人が入れ替わる中で、RMPの「ありたい姿」が風化しないように継続していくための取り組みです。「自分のありたい姿」を考え、「RMPのありたい姿」について考える。それらを結びつけることを目的に、時間と予算を投じ、対話の場やワークショップなどを行いました。

この取り組みによって、「私たちは何の会社なのか?」という創業時の状態から、「私たちの価値は、人生のライフイベントにおいて大きな意思決定を支援するところにある」という認識が強まりました。メンバーそれぞれが自分の、そして会社の「ありたい姿」に向かって進んでいくという土壌が、この2年間で固まったのです。

新たな価値創造を生み出す鍵は、
三つの施策「守・破・離」

このタイミングで私は社長に就任し、変革3~4年目の2年間を過ごしてきました。
では、3年目は何に取り組んだか。

皆で紡いだRMPの「ありたい姿」の実現に向けて、着実に成果を出していくような組織にしていく必要がありました。そこで「守・破・離(しゅはり)」(※)というフレームを使った三大施策にチャレンジしました。

(※)「守・破・離」=茶道・武道・芸術における、修業の段階を表すもの。「守」は師から教わる基本の型を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は他の教えからも良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は独自の新しいものを生み出し確立させる段階を指す。

「守」の段階で行った取り組みが「働き方変革」です。
それまでは社内には、日常の業務に追われて、新しいことに挑戦するなんて無理……という空気が流れていました。
そこでまずは新たな価値創造に向けた「時間の創出」が必要だと考えました。「全員リモートワークを活用していいよ」「会社に来ない働き方でもいいよ」「無駄な会議をやめよう」「システムは全部使いやすいようにするよ」と、働き方の変革を促したんです。

もちろんこれもトップから発信するだけでなく、メンバーひとりひとりがいかに主体的に生産性の向上に取り組めるかを考え、「なぜ今、働き方変革に取り組むのか?」という議論をミドルマネジャー・メンバーと何度も何度も繰り返しながら進めてきました。2年経った今、メンバーたちは自分のワークライフバランスに合わせた自由な仕事のスタイルを築き、また、積極的に会社の外に出て世の中や多くの人とつながろうという意識に変わってきました。成果が少しずつ出始めています。

次の段階として、「守・破・離」の「破」と位置づけである、「One RMP Project」についてです。自分が普段所属しているグループを越えて、事業部を越えて、会社を越えてできる活動を探るという、「コ・クリエーション(価値共創)」の場を積極的に作っています。

普段は自分の組織・自分の仕事に意識を集中していますが、1年間に何日かは自分の職場を離れて、異なる領域の人と交わる機会を設ける。それにより、お互いの価値を自分の仕事に取り入れられる、あるいは協働して新たな価値を生み出せることにつながるのではないかと期待しています。

守・破・離の「離」としては、「NewRING byRMP」として、メンバーが日々の仕事の中で発見した新たな課題や世の中の不に対し、それを解決するアイデアを出して事業化に結び付けることを促進しています。

この「NewRING byRMP」を一大イベントとしてちゃんと盛り上げよう、と。そこで、ホリエモンさんを審査員として招いて社外の視点を入れたり、お祭り感覚で参加できるような空気創りに取り組んできました。結果、2年前は20件しかなかったエントリーが、2016年は200件超に跳ね上がりました。従業員の約4割にあたる約600人が参加してくれたのです。ここから新しい事業の種が育ってくれることでしょう。

RMPが船出した4年前、私自身もメンバーも「この会社は一体どういう会社なのか?」ということがわからなかった。でも、時間をかけて何度も何度も「ありたい姿」のビジョンを全員で共有し、確認し、その姿に向けて進んでいくための働き方改革を行い、新たな価値創造への意識を高め、新規事業提案の機会を設けてきました。今、確実に再成長へのステップを歩んでいます。

組織の空気が変わっても、それがビジネスの成果につながるまでにはどうしてもタイムラグがあると考えています。正直、それが経営者としてはとてももどかしく、悩ましいところでもあります。

しかし、この4年間で全社をあげて変革に取り組み、RMPのカルチャーが確実に変化してきたことは、来年、再来年、間違いなく成果として表れてくると信じています。それを信じ、引き続きメンバーと力を合わせて変革を進めていきたいと思います。

私からのお話は以上です、ありがとうございました。

 

 

 

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