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社員の視点と意識が変わる、育児体験プログラム『育ボスブートキャンプ』とは?

「働き方改革」に取り組むリクルートマーケティングパートナーズが、新たな施策として、社員に「育児体験」の機会を提供するプログラムを開発。4人の社員が参加したトライアルにおいて、想像以上の効果が得られた。プログラムに参加した社員は、体験後、自身の変化をどう感じているのか。体験者の声と、さらに周囲に及ぼした影響などをリポートする。

2016-06-29

4人の社員がペアを組み、「育児生活」を体験

  

夕方、小さな男の子と手をつなぎ、買い物袋を提げて住宅街を歩く男女。家に着くと、小学生のお姉ちゃんも一緒に4人で夕食タイム。テーブルに置いたホットプレートでお好み焼きを焼く。
夕食後は、ソファで子どもと一緒にアニメを見たり、宿題を見てあげたり。その合い間には洗濯物をしまったり、宅配で届いた食材を片付けたりと、慌ただしく時間が過ぎていく。

一見、普通の家庭の何気ない日常風景。しかし、男性と女性は子どもたちのパパ・ママではない。子どもたちのママが勤務する会社・リクルートマーケティングパートナーズ(以下RMP)の社員たちである。
社員が子育て家庭の生活体験をすることで多様な価値観・生活を理解することを目的とした『育ボスブートキャンプ』プログラム。
トライアルとして参加した社員たちは、計6日間にわたり、子どもたちのママがまだ仕事をしている17時に退社。保育園へのお迎え、食事、遊びなど、21時頃まで子どもたちと一緒に過ごした。

初めて育児を経験する社員たちは、無邪気にはしゃぐ子どもたちの姿に笑顔を絶やさないものの、いくぶん緊張気味だ。楽しく遊びながらも、危険が及ばないよう常に気を使っている表情が見てとれる。
子ども2人に抱きつかれ、バランスを崩してソファに倒れ込む男性社員。起き上がるやいなや、また子どもが肩によじのぼってくる。こうして休む間もなく遊び相手になった後、子どもたちだけでお風呂タイム。バスルームのドアを締め、ようやくほっと一息つくことができた。
子どもの髪を乾かし、歯磨きを済ませた頃、ママが帰宅。30分間、その日あったこと、感じたことなどを話し合う。

『育ボスブートキャンプ』は、「育児しながら働く人」の生活を体験することで、社員の「ダイバーシティ&インクルージョン」の理解促進を目指す、RMPの取り組みである。スリール株式会社(http://sourire-heart.com/)と共同でプログラムを開発し、トライアル期間を経て、7月から導入を開始する。

プログラムは、①講座、②体験、③発信の3パートで構成。まずは専門講師による講座を受講し、実際の家庭で育児インターンを体験。参加者は体験によって得た多様性への気付きや今後のアクションプランを発信する。

こうして『育ボスブートキャンプ』プログラムを終えた4人の社員には、それぞれに変化と気付きがあったようだ。体験後、こんなコメントが寄せられた。

「自分自身の心のひだが増えた感覚。プログラム体験後、一緒に働くメンバーの家庭でのリアルな姿を想像できるようになりました。『仕事の悩みの相談をしに来ているけれど、これって実は仕事と家庭の両立で悩んでいるんだろうな』といったことが自分なりにピンと来たりするようになり、今までは、事情を理解しているつもりで、実は気持ちの面では理解できていなかったと痛感。まだまだ分からないことが多いけれど、以前より想像力が高まった気がします」(35才・人事)

「『ワークライフバランス』ってワークなのかライフなのか、という話になりがちですが『ライフの中のワークなんだな』って。24時間あるライフの中での限られたワークの時間、いかに活用するかを改めて考えさせられました。育児体験の日は、時間の密度がまったく違っていましたね。子育てって想像以上にハードだし、毎日が戦い。でも心が豊かになった感覚もあった。一部しか見れてはいないが、彼女たちのことを表面的ではなく、一段深く彼女たちの立場で考えられるようになり、自分が発信する言葉にもリアリティが増したような気がします」(34才・商品企画)

「従来は、一緒に働くメンバーから家庭のことで何かあって報告を受けると、仕事にどんな支障があるか、本人はどれだけ対応できるのかという点にしか気が回りませんでした。けれど、本人だけでなくその先にいる人、背景まで意識するようになりましたね。例えば、お子さんが熱を出したなら、医師からどう言われたか、旦那さんや親御さんのサポート状況は、兄弟の世話をどうするかなど、生活の中の関係図をリアルに想像しながら話を聞けるようになりました」(29才・経営企画)

「私の場合は、自分のグループにはワーキングマザーがゼロという環境で参加しましたが、気づきが本当に多くありました。メンバーに対して、これまではスキルやスタンスを見てきましたが、その人自身の『持ち味』を意識するようになりました。一人の人間として、愛おしく思えるようになったんです。マネージャーになると『多様性を受け入れよ』という課題を与えられる。それってどういうことなのか今ひとつわからずに来たけれど、ようやく理解できました。メンバーと『人間として関わる』という意味で、この体験は活きたと思います」(36才・営業)

プログラムを生み出したプロジェクトメンバーの想い

「愛のある社員があふれる世界を実現したい」

「社員向け育児体験プログラム」は、ある社員のそんな想いから生み出された。
発案したのは、RMPの人事グループに所属する山田和秀。「女性の活躍支援、育児支援を通じて社会に新しいサービスや価値を提案していきたい」と考え、その軸にもとづくビジネスのアイデアを3人のメンバーとともに複数考案。その中の一つ、組織長が「育児しながら働く人」の生活体験をする『育ボスブートキャンプ』をスリール株式会社(http://sourire-heart.com/)と共同で開発。仕事と子育ての両立を応援する、リクルートグループの「iction!(イクション)」プロジェクトの新規事業コンテストを通じてスタートした。

※「iction!(イクション)」/「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る」をキーワードに、「はたらく育児」を応援するプロジェクト。リクルートホールディングスが2015年7月に始動させた。

「海のものとも山のものともわからない状態でしたが、社長に相談したところ『仲間を集めて設計してみて』と。理論的にあれこれ考えるより誰かが体験してその声を聴くのが先決だ、という判断でフィジビリティスタディに踏み切りました」(山田)

『育ボスブートキャンプ』のトライアルにあたっては、先に紹介したとおり、育児経験がない20代後半~30代半ばの社員4人が指名を受け、週3日×2週の計6日間、ママ社員の家庭に入って育児生活を体験した。

「得られた効果は想定以上でした。体験した社員たちは、実のところ最初は面倒だと思っていたそうですが、『すごくよかった』という感想を寄せてくれました。どんな発見や変化があったかは先に紹介したとおりですが、嬉しい効果は他にもありました。例えば、体験を受け入れたママ社員からも、こんな声が寄せられています」(山田)

「私はこれまで仕事に育児にすごく気を張ってきた。でも、そのつらさを誰にも言えなかった。今回、他の社員たちが我が家で育児生活を共有してくれたことで、『生活の仲間』が増えたような、家族になれたような感覚になった。張りつめていた気持ちが解放された」(受け入れ側のママ社員)

また、プログラムに参加した社員の育児体験リポートを見聞きした別のママ社員からは「育児に対し、自分にはなかった視点に気付けた」という感想も出てきている。
4人の育児体験の動画を見た管理職たちからは「自分もやってみたい」と続々と手が挙がり、7月にスタートする第1回目には8人の管理職がプログラムに参加することになった。

「社員みんながお互いを理解して受け止め、それぞれの良さを高め合っていく会社にしたい。このプログラムをきっかけに、一人ひとりが認められ、個性が生かされるような『豊かな会社』につながっていくことに期待を寄せています」(山田)

PJTを生み出したPJTメンバー(左から、浅田優子・山田和秀・東雅子、ともに人事グループに所属) 

★『育ボスブートキャンプ』の様子をまとめた動画はこちら

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