RMP FEATURE

RMP FEATUREカンパニー

スポーツ心理学博士がRMPを組織診断!
勝ち続ける組織と成長が止まる組織の違いとは。

今年度本格始動した「OneRMPプロジェクト」。これは「組織活性」をテーマに、多領域に事業がまたがるリクルートマーケティングパートナーズ(以下RMP)が、事業間を越えて社員同士の交流を増やし、関係の質を高めることで新たな価値を創出する土壌を作り出そうという取り組みだ。今回は、応用スポーツ心理学の第一人者であり、スポーツ界のみならずビジネス界においてもチームや個人のパフォーマンスの最大化のための組織パフォーマンスコンサルティングを提供している布施努氏を招き、OneRMPプロジェクトの統括責任者である渡邊千洋と組織を活性化させるための要諦について語り合った。

2016-06-30

布施努さん
㈱Tsutomu FUSE, PhD Sport Psychology Services 代表取締役、米国スポーツ心理博士。早稲田実業高校、慶應義塾大学では野球部に所属し、高校時は甲子園で準優勝、大学時は全国大会優勝を経験。卒業後、住友商事に14年間従事。その後渡米し、米国五輪組織やNFLチームにて指導するスポーツ心理学の世界的権威の Dr. Gould を師とし、最先端のスポーツ科学をベースにした組織・チーム作り/パフォーマンス向上のスペシャリスト。アメリカでの研究成果であるコレクティブ・フロー組織モデルをベースに開発したトレーニングで数々のスポーツでファイナリストに導くサポートを行い、様々な企業にて“勝ち続ける組織”作りを行っている。

全ての起点は関係の質の向上から。
事業を越え動き始めたOneRMPプロジェクト。

布施 : まずは、プロジェクトについて教えてください。今年から動き始めたOneRMPプロジェクトでは、関係の質を高めるということに焦点を当てているということですが、これはどんなプロジェクトなんですか。

渡邊 : RMPは設立して4期目を迎えるのですが、新会社として動き始めた当初はウエディング情報を扱うゼクシィや中古車情報を扱うカーセンサー、進学情報を扱うリクナビ進学を中心に、その他にも多様な事業が集まっていて、リクルートグループの中でも「何の会社か?」ということが見えにくい会社だったんです。そこで若手メンバーを中心としたビジョンプロジェクトを起ち上げ、初年度は彼らを推進役として事業の枠を超えた社員全員参加でRMPの「ありたい姿」を言語化していくという動きを取り、「しあわせの総量を増やす」という言葉に皆の思いを集約してきました。2年目は、RMPの「ありたい姿」と社員一人ひとりの「ありたい姿」を接続する取り組みを推進しました。そして3年目は、これをきっかけにした新しいビジネスや何かしらの新しい兆しを生み出すことに注力して試行錯誤したのですが、なかなか難しかったんです。

布施 : 目指す姿は言語化されたけれども、アクションがなかなか起きていなかったわけですね。

渡邊 : そうなんです。そこでもう一度根本的なところに立ち返って、「今、本当にRMPにとって必要なことは何だろうか?」「このPJTの命題は何だろうか?」と考えた時に、それぞれの事業の枠組みを越えた、人と人の関係や、組織同士の関係の質を高めていくことが全ての起点になるのではないかと思い至ったのです。担当している領域は違っても自分たちは「One RMP」なんだという意識を高めるためには、まずはお互いを認識し、お互いを知り合うことから始めようと。

布施 : なるほど。それがOneRMPプロジェクトなんですね。今、関係の質というお話がありましたが、関係の質が高い状態というのはどんな状態をイメージしているのですか。

渡邊 : この図のように5段階に分けて考えています。会ったら挨拶しようよ、というレベル1からお互いを信頼し合っているレベル5まであって、現段階では同じ地域にいても事業領域が違うと仕事上で接点を持つことも少なく、挨拶もあまりないというレベル0の地域もあるのが残念ながら実情です。

 

布施 : 確かに組織が大きくなってきて、仕事上の接点がない人が増え始めると同じ会社でも挨拶をしないということも生まれがちですよね。このレベル0をレベル1に引き上げるのが結構大変だと思うのですが、どうされているんですか。

渡邊 : そのために結成されたのがOneRMPプロジェクトで、全国各地域から集まった25名の若手で構成されています。まさにこれから各地域で様々な取り組みを始めようとしているところです。ある地域のメンバーは、異なる事業のマネジャー同士の会話を引き出すための施策を考え、管理職同士の交流からメンバー同士の交流を生み出そうとしていたり、ある地域ではナレッジ交流イベントをやろうという話が生まれていたりします。

布施 : それはいいですね。でも、比較的人数が少ない地域は動きやすいかもしれませんが、人数が何百人となってくると一人ひとりが当事者意識を持って動き始めるかどうかが鍵ですね。

渡邊 : そうですね。実は、プロジェクト立ち上げ時に25人のプロジェクトメンバーが集まって1泊2日の合宿をやったのですが、初めは「なんでこんな忙しい時に1泊2日で合宿なんてするんだよ」という面倒くさいオーラを発するメンバーも結構いました(笑)。でも、メンバー同士の関係の質を高めたり、当事者意識を高めるプログラム満載の合宿を終えた帰りのバスでは同じメンバーかと思うくらい、あれもしたい、これもしたいと一気に盛り上がっていて(笑)、やはり当事者意識を持つことの大切さを感じました。そんなメンバーたちが、1人ひとり、小さなうねりをつくり、それを積み重ねることで、大きな組織の中でも、当事者意識が高まってくるメンバーも増えてくるのかな、と思っています。

布施 : 私もチーム作りをする時には、“ミーティングの質”を変えていくことが多いのですが、結束が出来ていないチームだと「ミーティングなんて関係ないし」という状態もよくあります。そんな時は、「もし自分がここで発言する立場だったらどんな状態だったら話しやすいかな?」などと少しずつ彼らに投げかけていきます。すると一人や二人、ちょっとその場を盛上げてやろうというようなセンスのいい選手が現れて、その選手を中心に少しずつミーティングが盛り上がり始めます。人間は不思議なもので、初めは斜に構えていても、楽しい経験をするとなかなか元には戻れません。

渡邊 : 確かにそうですよね。このプロジェクトでも初めは「別に他の事業部と会話しても意味ないですよね」という感じのメンバーもいたのですが、1泊2日の合宿を経て、今は人が変わったようにかなり前のめりになっていたりします(笑)。

自分だけの枠からはみ出した時、
新しい価値が生まれる。

布施 : スポーツでもビジネスでも、個人はまず自分のやるべきことがありますから、余計なことをやるくらいなら自分のことをしっかりやったほうが効率がいい、と考えがちなんですね。でも実は、自分と違う誰かとの接点からまったく違うヒントをもらったりして、枠を広げた方が自分にとってもプラスになることは沢山あります。

渡邊 : そうですね。私もこれまで何人ものトップ営業を見てきましたが、傾向として共通しているのは、自分の与えられたことだけではなく、そこからはみ出した仕事から新たな価値を生んでいることだと感じます。

布施 : 営業でしたら、当然目の前のクライアントとの時間を優先するのは当たり前ですが、だからと言って、それ以外のエキストラ業務には目を向けないという状態だと、ビジネスを自分一人の力で進めることしかできなくなってくるので、自分の枠以上のことが生まれにくくなってしまうんですね。

渡邊 : やっぱりそうですよね。私たちはNewRING byRMPと言う新規事業コンテストを毎年行っているのですが、これを活性化していくためには自分の知識やスキルだけではなく、自分とは違う考え方の人や、自分と違うスキルを持っている人との接点をどんどん増やし、その関係性が高まることによって何か新たなものが生まれるんじゃないかと期待しているんです。例えば、社内のエンジニアと営業は日常業務ではなかなか接点がないのですが、それ以外で普通に会話ができる関係性が生まれれば新たなヒントも生まれやすいのではと思うのです。

布施 : リクルートグループは、何か新しいものを生み出したいという人がもともと多そうなので土壌としては悪くないと思います。ただ、土壌も耕し続けないといい芽は出てこない。意欲的な人が揃っているはずだけに耕し続けないのはもったいない。結局、スポーツもビジネスも単発で勝つことだけなら出来るんですよ。でも、勝ち続けるというのは難しい。放っておくと成長は鈍化してしまうのです。

渡邊 : やっぱり継続していくことが重要なんですね。

布施 : そうなんです。でも継続するためにトップから発信する状態ばかりが続いていると、イエスマンばかりがどんどん生まれてしまいます。その辺はRMPさんではなさそうですが何か工夫されているんですか。

渡邊 : 関係性の質を高めようという目標を共有したら、その後の具体的な施策はメンバー一人ひとりの「これをやりたい」という気持ちを起点に動いているのがいいのかもしれません。

布施 : そういう主体性を尊重する風土が大切なんですね。OneRMPプロジェクトでは何かゴールを設定しているのですか。

渡邊 : 社内のサーベイはあるんですが、その数値よりも社内の至る所で会話が生まれていてそれを普通に目にする状態を目指したいです。さらにその延長としてゆくゆくは、新規事業コンテストのNewRING byRMPに部門を超えた連名でのエントリーが増えて新しい発想のものが出てきたりすると嬉しいですね。

布施 : それはいいですね。関係の質の変化をサーベイの結果ということだけではなく、例えば関係の質を高めるための動きがうまく実践出来た人を皆で投票して決めるなど、その結果ではなく取り組み自体に全員の意識が集中するようにするとさらに変化は加速するでしょうね。ある強豪大学の水泳部では、チームの関係の質を高めたいい動きをした選手を毎週お互いに投票し、MVPのTシャツを作って、MVPの人は一週間そのTシャツを着られるような仕組みを作り、取り組み自体への関心を高める工夫をしていたりします。

渡邊 : チームで何を大切にしているかがわかりやすいですね。

関係の質のレベルの違いは、
結果の違いに明確に現れてくる。

布施 : スポーツの世界でも関係性の質は明確に結果の違いに現れてきます。例えば普通は仲間と言ったら、チームメイトのことを指しますが、中には対戦相手も含めて同じ競技をしている仲間だという意識でいる選手もいます。もっと凄いのは、「その試合を観に来ている観客も全て仲間です」という選手もいて、そういった選手は全てを自分のエネルギーにしてしまうので自分のやるべきことがぶれなくなってくるので結果も出るんです。

渡邊 : 観客まで仲間だという意識は凄いですね。

布施 : これはビジネスでも当てはまることが多くて、お客様を仲間と捉えずに商売をゲットする相手と考えて動いている人と、お客様の目指すものにお客様と一緒の仲間となって進んで行く意識で動いている人では仕事の拡がり方が変わってきます。

渡邊 : 確かにいろいろなお客様の話を聞いていても、自分とは関係のない話と思って聞いていると話はそこで終わりですが、その話から何かもっと面白くなることはないかとか、ヒントはないかというスタンスで聞いていると、仕事の質も高まってくることが多いですよね。

布施 : “主体的リスニング”というのですが、同じ話を聞いていても他人のこととして聞いている人と、自分のことに当てはめながら聞いている人では気づきの量がまったく変わってきてしまいます。オリンピックレベルの選手達は、主体的リスニングが出来る人がとても多いんですよ。

渡邊 : それができるようになるためのポイントは何でしょうか。

布施 : まずは今回のプロジェクトのような“場の設定”がポイントになりますね。初めは出来ない人も、ある場を設定されてそこで真似ることができるようになると、次第に自分のものとして動くようになります。人にはいつも使っている得意なスキルや能力と、あまり使っていないけれど鍛えればできるようになるスキルや能力があるのですが、主体的なリスニングが得意な人はいつもこれを自由自在に使っているわけです。でも、この能力は誰もが持っていて、今は苦手な人も訓練すれば自由に使いこなせるようになります。

渡邊 : 小さいことから少しずつでもやっていくことが大切ですね。

布施 : そうなんです。大きな場や重要な場ではやはり得意なスキルで勝負するじゃないですか。だから、小さなステップでいいので苦手なスキルを磨ける場を設定することが大事なんです。

渡邊 : そのマネジメントは重要ですね。いきなり手の届かない目標を与えても出来そうにないものには挑戦しようとしませんからね。

勝ち続ける組織は、CSバランスを保ちながら、
モチベーションを刺激し続けている。

布施 : ChallengeとSkillの頭文字を取ったCSバランスという考え方があるのですが、レベルが上がっていくチームや個人は、このCSバランスを保ちながら少しずつ成長していきます。例えばスタート時にやるべき目標が高すぎて現状の自分のスキルではまったく達成できず、幾らやっても辿りつかないようだと人はそこで諦めを学習してしまいます。「私には無理」とか「自分には向いていない」と思い込んでしまうのです。一方で目標がスキルに対して低すぎると、その人にとってそれはとてもつまらない「退屈ゾーン」のものになってしまい、モチベーションのキープが出来なくなります。ですから、このバランスを取りながら頑張ればギリギリ達成できるような目標を設定し、スキルも高めていくことが重要なんです。

渡邊 : 確かにその通りですね。私たちは目標設定する時に、つま先立ちの目標設定と言ったりしています。背伸びくらいだとちょっと頑張ればいけちゃうじゃないですか。でもつま先立ちになると結構ギリギリ(笑)。

布施 : そのレベルが大事ですよね。あとは、そのスパンです。1ヶ月から長くても3ヶ月位で目処がつくような目標設定がパフォーマンスを上げやすい。特に若い人は短期目標でどんどん回した方が成果を導きやすいです。若い人ほど成功体験を数多く積みたいと思っていますから。
大きな目標は半期や1年で設定してもいいのですが、重要なのはそれをブレークダウンして設定しているかどうかです。企業でもスポーツチームでも勝ち続ける組織は、マネジメントする人がそれをしっかり設定して継続的に個人と確認しあっています。これができると自然に上下の関係の質は高まっていきますね。

渡邊 : 半期ミッションも、Qの目標も、マイルストンを設定して、確認していくことが大事ですね。
マネジメントの話でもう少し聞きたいのですが、人によっていろいろなスキルがあって、同じ人にも高いスキルのものもあれば、レベルが低いものもあったりしますよね。このCSバランスの図で言うと、同じAさんであっても一つの高いスキルは右の方に寄っていて、もう一つの低いスキルは左に寄っていくじゃないですか。こうした場合、高めのスキルに合わせて難易度の高い目標を設定するのと、低い方のスキルを向上させるために、難易度を設定しそれを目標にしてもらうのではどちらがいいのでしょうか。

布施 : それは年次にもよりますが、若い方が対象であれば興味のある方を優先したほうがいいでしょうね。一般的に言うと、若い時は人間というのは自分の弱みを見せたくないんです。どんどん成長していくために強みで上がって行きたいんですね。だから興味があって得意なものを伸ばしていくような設定のほうが成長します。ただ、興味があって得意なものも更に上へ上へと目指していくと、チャレンジとしては更に厳しくなっていきますので、それだけではシュリンクしてしまいます。30代、40代になってもそこからまだ成長する人は、今度は今まで目をつぶっていた課題に目を向け、足を引っ張っていたことにチャレンジしていきます。その時には、すでに得意領域で築き上げた地位や自信があるので、苦手なことに挑戦する余裕もあるわけです。

渡邊 : 非常に納得感がありますね。

布施 : 若手は得意領域でどんどん勝負して自信をつけていけばいいんです。でもそのうち成長していくとそれだけでは勝てないポジションに自分が来たことに気づき、苦手な能力も高めるようになります。若い人に得意領域を伸ばすチャンスを与えずに、苦手領域を鍛えることばかりしていたら潰れてしまいます。この順番を踏まえている組織は、強い組織になっていきます。

渡邊 : いや、今日はいいお話を聞けました。観客まで仲間にするという捉え方ができれば、仕事の拡がり方は変わりそうですし、興味持っていることから伸ばしていくという考え方もすぐにでも活かしていけそうです。

布施 : 今日も話して感じましたが、リクルートの方には球を投げたくなるんですよ。投げたら何かしら打ち返してきそうな期待があるんです。何か一緒にやりたくなるムードを持っているんですね。これをなくさないように今回のOneRMPプロジェクトのような施策を次々と打っているんだなと感じました。これが強さなんでしょうね。

渡邊 : 興味関心を持ったことに対する食いつき方は凄いですから(笑)。

布施 : 普通の会社が「仕事」だと思ってやることを、皆さんは部活のように楽しんでやってしまう。そこが違うんでしょうね。

渡邊 : そうですね。練習は厳しいですけどね(笑)。本日は貴重なお話をお聞きすることができました。ありがとうございました。

布施 : ありがとうございました。

 
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