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RMP FEATURE

RMP FEATUREカーセンサー

【パイオニアであるために】
億単位の売上減少を伴う決断。
社員が事業に誇りを持つために必要なのは、安心安全な車をカスタマーへ届けることだった!
知られざるカーセンサーのDNA

これからの日本において、安心安全な中古車のニーズは高まってくる。しかし、中古車に対して不安を感じているカスタマーが存在していることも事実だ。業界のパイオニアである中古車情報メディア「カーセンサー」は、これまでどのようにしてカスタマーが持つ不安を払拭してきたのだろうか。連載第二回では、業界初となるサービスを次々と生み出した背景を事業責任者の室に聞いた。

2018-03-15

「カスタマーに正しい情報を発信したい!」
強い信念の下におとり広告を排除し、業界の健全化を率先

話は2003年にまで遡る。営業組織長として赴任した室は、「このままではマズイ」という焦燥感にかられていた。

「実際には存在しない中古車を、情報誌に掲載することで来店を誘う『おとり広告』があるのではという声は、カスタマーから聞こえることもありました。けれど、当時はまだインターネットではなく紙の時代。取材してから情報誌が発売されるまで、どんなに技術を駆使しても2週間はタイムラグが発生します。その間に車が売れてしまうことも珍しくありませんでした。カスタマーも目当ての車がないなら、他の車を探すかといった感じでそこまで問題にはならなかったんですよ」

「それがインターネットの時代になって大きく変わりました。車が売れたら掲載をすぐに落とせますからね。ネットに掲載されているクルマが、店頭に置いてないとなると当然クレームになるわけです。そこで初めて、故意にウソの情報を載せている、おとり広告の存在に気づきました。クレームは年間で50件程度でしたが、これは氷山の一角。顕在化されていないクレームは、まだまだあると考えました」

カスタマーに正しい情報が届かない。そんな状況に危機感を覚えた室は、「おとり広告」の撲滅を決意。「CST(信頼性向上)プロジェクト」を立ち上げ、様々な打ち手を検討の結果たどり着いたのが車台番号表示の義務化だった。車台番号が表示されればおとり広告はもとより、走行距離も修復歴も明らかになり、カスタマーにウソがつけなくなる。その一方で、クライアント側からすれば、カスタマーからの問い合わせが減り、売り上げに影響がでるという懸念があった。もちろんカーセンサーも無傷ではいられない。クライアントからの掲載料の減少は、売上の純減に直結。その予想金額は、年間で億単位にも及んだという。経営を左右する致命的なダメージになるかもしれない。それでも室は、なぜカスタマーファーストを貫いたのだろうか。

02.jpg カーセンサー事業責任者 室 政美

「私がおとり広告の一掃を決断した理由は社員のためでもありました。おとり広告を出しているという罪悪感に苛まれて、自分の仕事に誇りが持てない、家族や友人にもどんな仕事をしているか胸を張って言えない。こうした社員の気持ちを切り替えて、モチベーションをあげていくには、膿を全部吐き出さないといけません。私の決断に、『これで業界を変えられる』『もうカスタマーにウソをつかなくてよくなる』と賛同してくれる社員がほとんどした。その社員の声に奮い立ち、覚悟を持って進めることが出来たのです」

「けれど、達成までの道のりは決して平坦ではありませんでした。条件を守っていただけないクライアントには、掲載をお断りしました。営業メンバー1人1人が苦労して開拓し、深い関係性を築いたクライアントも例外ではありません。ご理解いただけないことが悔しくて泣きながら帰社してくるメンバーもいました。しかし、業界を変えたい、カスタマーに正しい情報を届けたいという社員の強い信念が上回り、プロジェクト始動後から3ヶ月後にはおとり広告の完全撤廃を成し遂げることができました」

「カスタマーに中古車の安心安全を約束する」
その大前提に立って、クライアントに貢献したい

中古車購入における不として「状態の良い中古車をひとりで選ぶことが難しい」と感じるカスタマーも多い。カーセンサーが次なる課題と捉えたのは、購入前から購入後までの安心安全だ。

03.jpg 中古車購入の際「状態の良い車を自分ひとりで選ぶ自信がない」と
感じるカスタマーは多い。

「インターネットでの掲載が増えるにつれ、カスタマーの動きが明確に変わりました。より安価なクルマが売れるようになったんです。逆に言えば、安価でないと売れなくなりました。これは芳しくない傾向でした。中古車は一台、一台が走行距離や修理歴が違うわけですから、価格だけを判断材料としてはいけません。とはいえ、カスタマーが中古車の適正価格を知るためのものさしがありませんでした。そこで、第三者機関が品質をチェックする制度をつくろうと考えたんです」と室は語る。

そんな想いから生まれたのが、「カーセンサー認定」だ。業界トップクラスに厳しい評価基準を持つ検査専門機関「AIS」と連携。1台につき300項目以上を検査し、S点からR点までの10段階で車の状態を総合評価することで、カスタマーは信頼できるプロの評価基準のもと、自分が求める安全基準に近い車を選択できるようになった。

「評価基準が低いと販売率が低下してしまうという懸念から、クライアントから反対の声もありました。だからこそ、業界のパイオニアであるカーセンサーが率先して取り組まなければならない。そう感じたのです。」

「費用や手間もかかるため、クライアントには必要性を理解してもらうまで時間がかかりました。けれど今では積極的に取り入れていただけるクライアントが増えています。というのも、結果としてカスタマーの不安払拭につながり、カーセンサー認定を導入すると成約率が上がるんですよ。カスタマーからも好評で、すべての車に評価情報をつけてほしいという声をいただいています」

さらにカーセンサーの改革は続く。より安心安全が続くようにと、「カーセンサーアフター保証」をスタート。クライアントとカスタマーに提供したい価値について、室は次のように語る。「クライアントが揃えた質の良い車を、カスタマーが正しい情報をもとに納得し、安心して購入できる環境をつくる。それこそ私たちが提供したい価値であり、カーセンサーの使命だと感じています」

04.jpg厳しい評価基準を持つカーセンサー認定
購入後の安心安全をお届けするカーセンサー保証

カスタマーファーストを貫きながらクライアントに伴走する。
カーセンサーのありたい姿はこれからも変わらない

業界のパイオニアとしての自負から、前例にとらわれず、さまざまな改革をし続けてきたカーセンサー。今後もその姿勢を貫きたいと室は力強く語る。

「2017年1月からは本誌をリニューアルしました。まずは関東を含む一部エリアのみですが、本の厚みは約1/4に、価格は半額以下になりました。持ち運びやすい薄さと重さですので、より多くの人に中古車に興味を持っていただければと思います。また、カーセンサー中古車検索アプリには、車種判定ができる新機能が追加されました。街中で気になった車を写真に撮影すれば、自動で車種を判別してくれるんです。カスタマーに車との出会いを増やすきっかけになっています」

05.jpgリニューアルしたカーセンサー/車種判定など
様々な軸で検索できるカーセンサー中古車検索アプリ

「今後もカスタマー目線に寄り添い、喜ばれるサービスを提供していくのはもちろん、クライアントにとっても、頼れるパートナーを目指したいと考えています。これまではメディアとしての関わりが主でしたが、車種の仕入れだったり、顧客のアフターフォローだったりと、バリューチェーンを幅広くサポートし、クライアントの経営に伴走していくのが理想ですね。そうすれば、結果としてカスタマーにより良いサービスを提供できる環境も築けていけると考えています」

06.jpg

「また、部品の廃棄やリサイクルなどにも携わることで、静脈産業をしっかりと確立していきたいと考えています。日本の車や部品はとても性能が高いので、日本で不要になっても、海外ではまだまだニーズがあったりします。廃棄処分をするだけではなく、必要とされているところに届けていく。そういった環境を配慮した取り組みを、しっかりと行っていきたいですね」

カスタマーファーストを貫き、クライアントの信頼を獲得してきたカーセンサー。その姿勢は変わらずに保ったまま、これからは多方面への価値の創造を模索している。次回は、社会に必要とされる中古車の産業構造と、ビジネスとしての今後の期待についてお伝えしていく。

[ 今回登場した社員 ]


ogiwarasama

室 政美
自動車事業本部 事業本部長 Executive Officer
(株)リクルートカーセンサー 代表取締役社長

1990年リクルートへ新卒入社。全社スタッフ部門を経験後、学び市場開発部(ケイコとマナブ)にて営業に従事。 1998年より自動車事業本部へ。創刊営業新規開拓から、ネット商品開発、事業企画部門を経験し、営業統括部長を歴任。2006年より業界団体である一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会へ出向。2014年より一般社団法人日本自動車購入協会理事に就任。2016年より現職。

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