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FY 2019 RMP BEST11
Interview

Vol.03

逆風から生んだヒットプロダクト
UXデザイナーの枠を超え
中古車業界に変革を起こす挑戦者

Yuki Nakayama
中山 裕貴
ネットビジネス本部 プロダクトデザインユニット プロダクトデザイン部 自動車プロダクトデザイングループ

『カーセンサー』担当のUI/UXデザイナーとして、中古車販売市場では難しいと言われていた「車両の360°画像の閲覧機能」を実現させた中山。プロダクトデザインにとどまらず、営業プロセスの設計や営業推進戦略も手がけ、1人で何役もこなした。当初、多方面から厳しい声を受けながらも、どのように「あるべき姿」を描き、協力体制を築いていったのか――。

Career: 2016年、リクルートに新卒入社。リクルートマーケティングパートナーズ(RMP)配属となり、『スタディサプリ進路』(当時:リクナビ進学)でUXデザインを担当。2年目より『カーセンサー』に異動。現在はUXデザインの担当にとどまらず、クライアントの業務支援や新商品開発、新規事業のプロダクト開発も行う。『2019年度RMPベストイレブン』を受賞。

「売れない」の逆風から一転、ヒットプロダクトを創出

中古車情報メディア『カーセンサー』が常に抱える課題――それは他社メディアとの差別化を図り、クライアントである中古車販売事業者と中古車の購入を検討するカスタマーに対し、新たにどんな価値を提供するのか、ということ。


カーセンサーのUI/UXデザインを手がける中山裕貴は、2019年夏、『カーセンサーnet』に新機能を生み出した。

車両の360°画像を閲覧できる機能だ。気になる車の内外装について、より詳細に、臨場感を持ってチェックできるとあり、「より安心して車選びができるようになった」とカスタマーの支持を獲得。掲載車両への問い合わせ率が上昇した。


クライアントからは「ずっと売れなかった高級車が、360°画像の掲載から1週間で売れた」など、感謝の声が寄せられた。


カスタマーとクライアントから好評を得て、業績アップにも大きく貢献した360°画像の閲覧機能(以下360°画像と表記)。しかし、プロジェクト当初は苦しい状況からのスタートだったという。

「360°画像の導入は過去に何度も検討されてきたんですが、実現しなかった。なぜならクライアントにとって運用負荷が大きすぎるからです。車両を各方向から撮影し、入稿し、サイトと連動させるフローは複雑で時間がかかる。中古車は在庫の入れ替わりが速いので、入荷の度にその作業を繰り返すのは大変な面倒です。営業部門からも『こんな複雑な商品は売れないと思う』と、厳しい反応でした」



「こんな状態でリリースする訳にはいかない」と、中山はクライアントに密着して日々の全体の業務フローを理解し、「使いたくなるのはどんなツールか」「負荷を軽減するにはどうすればよいか」を徹底的に考えた。そしてオリジナル撮影アプリを作り、入稿ツールのUXを細かく設計。プロダクトを磨き込んだ。


その結果、過去の検証では1台あたり20~30分かかっていた撮影~掲載のフローが、3分に劇的に短縮。圧倒的な効率化に成功した。


「UI/UXデザイナーの仕事は、組織によってはビジュアルだけに重きをおくことも珍しくない。その点、リクルートのUXデザイン組織は、ユーザーにより高い価値を提供することを追求する。そんなスタンスで取り組めることが誇らしく、嬉しいです」

全国の営業担当との協力体制を構築。大切にしたのは「Give」の精神

360°画像機能の投入において、中山が手がけたのはUXデザインだけにとどまらない。「営業」にも深く関わっていった。

前述のとおり、当初、営業からは厳しい声があがった。それに対し、まず中山が訴えかけたのは「コンセプト」だ。



「業界の未来を見すえ、『なぜ、今これをやるべきか』を丁寧に伝えるようにしました。これまでの中古車情報はメディア上では詳細がわからず、店舗に足を運んで初めて負に気付くことも多かった。そうしたカスタマーの不信感や不安を解消しなければ、中古車は売れなくなり、クライアントの経営悪化につながる。だから安心・安全に中古車を買える世界を創っていきたいんだ、と。こうしたコンセプトの部分で共感を得られれば、きっと人は動いてくれるし、課題を乗り越えていけるものだと思ったので、営業の皆さんにコンセプトを説明することから始めました」

さらに、中山は営業担当者たちに商品の説明をするだけでなく、商品が売れるための営業支援策や仕組みも構築していった。

プロセスの設計からターゲットの設定、プレゼンツールの作成、営業成功事例の共有などだ。「営業活動や運用上、こんな困りごとが起きそうだ」というポイントを予測し、先回りしてサポート体制を整えることもあった。

もちろん、質問や相談にもきめ細やかに対応する。



中山が大切にしているのは「Give」の精神。まずは、自分が相手の困りごとを解決するなど、他者のために尽力する。すると自然と相手もこちらの困りごとを意識してくれるようになっていたという。中山が積み重ねてきた丁寧な対応が、プロジェクトを進める中で大きな強みに繫がった。

「プロダクトはリリースして終わりじゃない。UI/UXは改善の連続なんです。改善のための課題をつかむには、クライアントの意見や感情を吸い上げなければならず、それには営業の協力が欠かせません。僕1人では課題を想像するには限界がある。だから、僕から聞きに行かないと教えてくれないような関係性ではダメなんです。営業担当のほうから、『現場でこんな声が上がっている』と自発的に情報を提供してくれる関係性を築いてこそ、僕は観点を増やすことができるんです。どんなに忙しくなってもこの価値観は捨てない。営業に限らず、周囲の人たちにGiveを続け、常に誰かの役に立っていたいと思います」

クライアント、カスタマーへの責任感が、マーケット変革を起こす

逆風を受けながらも360°画像商品を実現させた中山。想いを貫く原動力となった一つに、学生時代の経験がある。

中山はリクルートの新規事業部門でインターンをしていた。教育機関を顧客として、先生・生徒・保護者のコミュニケーションを支援するツールの営業を務めた。自分の提案にもう一つ自信が持てないながらも、先生に営業をかけていたとき、ある先生からこんな言葉を投げかけられた。


「そのプロダクトで生徒の人生が変わる。あなたはその子の人生に責任を取れますか?」


「そのツールによって、生徒の進路が決まるかもしれない。ライフイベントに関わるプロダクトを送り出す責任とはこういうことなのか、と気付かされました。この経験が、『中古車業界をよりよく変えられるプロダクトを使いにくいままにしてはおけない』という強い想いにつながったと思います」

中山が「業界の未来の姿」として描いたコンセプトは、業界内で着実に広がっているようだ。

「360°画像のように情報を包み隠さずできるだけ開示して、お客さんが商品を選びやすいようにしたほうがいいよね。これからは中古車業界もこういう未来に向かっていくんだろう」そんなクライアントの明るい声もたくさん届いた。自分がマーケットにインパクトを与え、変化を促せることがこの仕事の喜びだと、中山は言う。

ビジネスプロデューサーとして、世の中の「不」を解決したい

360°画像プロジェクトを通じて感じたことの一つに、「カーセンサー事業部という組織の強さ」がある。



「全国に散らばる組織ですが、非常に一体感があります。360°画像にしても、今は僕が質問に応えたり提案したりするまでもなく、異なるエリアのメンバー同士がコミュニケーションツール上で『こういう場合どうすればいい?』『自分はこうして解決した』なんてやりとりをしていたりして。『カーセンサーとしてどうありたいか』、そして『業界をいかに良くしていくか』に向けて一丸となれるのは、長年業界をリードしてきた事業部ならではの文化だな、と思います」



今回、UX、商品設計、営業推進、システム開発ディレクターと一人何役もこなした中山。そんな中山が今後目指すのは、「ビジネスプロデューサー」として事業を創ることだ。


「良いプロデューサーとは、各論に強く、複数の観点を持っていて引き出しが多い。だから、社内外のさまざまな人と協業しながら、ビジネスや仕事の観点をもっともっと増やしていきたいと思います」

学生時代から教育分野にも強い興味を抱いているが、今、それ以上に興味があるのが医療分野や行政の業務だという。


「『不(不満、不便、不安など)』を解消するテーマに向き合いたいんです。古くからある慣習や暗黙のルールが『不』となっている業界では、それを変えることで大きな業界成長につなげる仕掛けができる。その感覚をカーセンサーで学べたので、同じような構造の業界で、変革のチャレンジをしてみたい。そこで着目しているのが医療や行政の分野です。新しい価値を提供するプロダクトを生み出し、それを機に業界が良くなり、世の中が良くなっていけばいいと思います」

Teammate Voice

HIROKI TANAKA
田中 大樹

ネットビジネス本部 プロダクトデザインユニット プロダクトデザイン部 自動車プロダクトデザイングループ

常に現場から一次情報を集めながら、業界全体にとって価値あるプロダクトを追求する中山のスタンスからは大きな刺激をもらっています。いつも明るくチームを笑顔にしてくれる中山ですが、どんな壁にぶつかっても決して諦めず、緻密な設計と圧倒的な行動力で目標に向かってやり切る姿は本当にかっこ良く、チームに欠かせない心強い存在です!

My Bet on Passion

中山 裕貴が大切にしたいPassionは
「チャレンジャーであること」

「360°画像の人」で終わらせない。少なくともここからまた3年間、今回の成果とは異なる形で成果を挙げ続けることが大事だと思っています。「こんな強みもあるんだ」「こんな成果も出せるんだ」と言われるような、新たなプロジェクトにチャレンジしていきます。

記事中で紹介した事業(名称や内容含む)や人物及び肩書については取材当時のものであり、現時点で異なる可能性がございます。